都市伝説,ホラー小説,ハローバイバイ,ミステリー

序章その19(都市伝説裏ホラー小説 NO MAKE)

都市伝説,裏ホラー小説,ミステリー小説,ホラー小説


二人が降り立った場所、

そこは 意外なことに 神社の境内の一角だった。

また非常に驚いたことに 神社自体を包み込むだけの 巨大な空間が地下に存在していたのだ。

あたりを一面の闇が覆うなか うっすらと その神社の姿が確認できた。


「なんで こんな地下に神社があるの? 」

「地下じゃないよ 博くん。」

「地下じゃないって? 」

「元々 ここは地上だったんだよ。 歴史好きの君なら、、わかるよね?」

「まさか、江戸城の埋め立てられた元の地表がここだってこと?」

「そうだよ。君が信じようと信じまいと、ここは 昔 徳川幕府が設けた数ある抜け穴の一つであり
戦時中 この地下空洞を再利用した軍部が軍機保護法によってその存在自体を秘匿した 隠された場所のひとつなんだよ。
そういえば 博君がこないだ学校で読んでいた本、そのなかに確か 江戸五色不動 についても記載があったよね?」

「う うん、、」

「では一つ面白い話を教えてあげるよ。 江戸五色不動については現在様々な学説があるけどどれも正しくない。」

「どうしてそう言えるの?」

「ここが江戸五色不動の一部だからさ。
つまり 江戸五色不動 の本体 の一部は 地上には最初から存在してなかったんだ。
江戸築城時に埋め立てられた地下にこそ存在していたのさ。 」

「 ここが? 」

「表裏一体 ものごとは全て 表と裏とがあわさって成り立っている。
この東京も 同じことなんだよ 」

そう静かに語る 森くんの表情は微かにこわばっていた。


※軍機保護法
戦時下にて日本の軍事機密保護の為に制定された法律。
戦後廃止され 現在は効力はない。

※東京の歴史について
天正18年(1590)徳川家康が江戸入府してからの埋め立てについては史実から確認できます。今でも 東京の地名で「谷」がつく平坦な所は、過去に埋め立てられた場所であることが多いのです。江戸城近辺は場所によっては8〜10M程 埋め立てされている事が調査によって確認されています。

※江戸五色不動
一説では 江戸五色不動とは、東京の目黒不動(瀧泉寺:目黒区)目白不動(金乗院:豊島区)/目赤不動(南谷寺:文京区)/目青不動(教学院:世田谷区)/目黄不動(永久寺:台東区)の総称との解釈がある。
ただし 目黄不動については 最勝寺(江戸川区)、龍厳寺(渋谷区)や他の寺も含まれるとの説もあります。


〜つづく〜
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序章その18(都市伝説裏ホラー小説 NO MAKE)

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森くんの「儀式」は瞬く間に終わった。

【開錠方法】は 至極かんたんなものだった。

指定された位置に立ち、右手の甲を 三身のうちの一体の獅子像に向けるだけだった。

「 何故 自分の右手の甲が 必要なんだろう? 」

この疑念を彼にぶつけようとした時、
既に森くんは
獅子像を支えている
丸い 大きな柱の壁を いとも簡単に 押し出していた。

と、、、 すぐに 柱には ぽっかりと
人が一人通れるくらいの開口部が静かに現れたのだった。

柱はフェイクだった。

柱の石目にそって 隠し扉が仕掛けられていたのだった。

それでは この部屋にある二つの扉は一体なんなのだろう?


「 ここから下に降りるんだ。
僕はここを閉めるから先に下で降りて待ってて 」

「 森くんが先にはいってよ、、 」

「 わかった。じゃ 僕から先に降りるね 」

森くんの後に続いて 柱の内部に入り
彼の指示通りに 開口部を元に戻した。

その隠し扉が閉まると同時に、鈍い 金属音が 静かに響き渡った。

入り口が閉ざされると同時に しばらくの間 暗闇が二人を包み込んだ。

しかし それもわずかの間だった。

微かだが 足元から光が射し込んできていたのだ。

思わず 下を向いた博くんは すぐ その顔を上にあげてしまった。

その 高さに驚いたからだ。

もし このまま手が滑ったりしたら 死んでしまう!


握り締めた 手摺は かなり水滴がついていた為、

彼はゆっくりと、、、そして 慎重に 下へ 下へ と降りていった。



〜つづく〜
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序章その17(都市伝説裏ホラー小説 NO MAKE)

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「 MISHIMA 」とある表札の建物内部は
外部の喧騒からまったく隔絶された まさに別世界だった。

この建物内に入ったとたん 博くんは すぐに
なにか タイムスリップでもしたかのような感覚を覚えたという、、、

その内部は いわば 戦後 間もない頃のレトロな、
西洋建築を思わせるような造りであり、
白を基調とした 和と洋とのコラボレーションが
なんとも言い難い モダンな空間を醸し出していたのだった。


二人の目の前には
大理石の太い 丸い柱が 三本 直立していた。
ローマ時代の世界観を彷彿させるようなコリント式の石柱の上には
大きな 白い獅子の像が
三種三様の 恐ろしい顔つきで
それぞれが 口を大きく開けながら 下を見おろしているのだった。

そして その奥には 二つの扉があった。
一つは大きな木製の両開きの装飾扉であり こちらが通路につながるもののように思えた。
もう一つは 幅も高さも小さめの素っ気ない片開きの扉が確認できた。

いったい ここはどんな目的で建設された建物なのだろうか?

表札には「 MISHIMA 」と個人名だったが たんなる 私邸 とは考え難く、
何やら ただならぬ雰囲気を 博くんは ストレートに感じ取ったのだった。


「 すぐ終わるから待っててね、、 」

静寂が支配するこのエントランスホールに 森くんの声が 響きわたった。




〜つづく〜
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序章その16(都市伝説裏ホラー小説 NO MAKE)

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二人は 地下鉄半蔵門駅5番出口を出ると
四叉路を渡って 少し歩いてからそのまま右折した。

『 さて、、、 』

突然 森くんは足を止めた。

『 実はこの辺にも一部 現在でも実存の建物が 地図に全く反映されてない場所があるんだよね。、、、
ここも 最近 博君が夢中になって読んでいた ”改描(かいびょう)”の証拠となる場所だよ 』

『 ここが 現在も ”改描” されている場所だって?、、、 』

博くんは ここでまた 森くんに驚かされた、、、。

それは またも 彼が 他人には知りえないはずの
自分の私生活の内容について あっさり言い当てたからだ。

確かに つい 最近まで 博くんは 父の書斎にあった
戦時中に行われていた改描関連の資料を 読み漁っていた。

『 それから一つ忠告しておくけど、、
ここまでの道のり、 たとえ覚えたとしても一切無駄だからね。
二度と君はこの場所に辿り着くことはできないから、、、 』


この言葉を聞いても その時は意味が理解できなかったという。

なぜなら 博くんにとって この場所へ辿りつくまでの道順が
それほど難しいものでなかったからだ。


森くんは 古ぼけたビルの入り口階段前で立ち止まっていた。

辺りを見回し 誰も見ていないことを確認すると
急に博くんの腕をつかみ、
いきなり 目の前の白いコンクリートの階段を駆け上った。

階段を駆け上ると、
埃をかぶった木製の入り口扉を、無理やりこじ開けるようにして 中に入った。

博くんも半ば強引に 引きずり込まれるようにその建物内に入ったが
そのわずかな瞬間 入り口 上に 表札があったことを見逃さなかった。

その表札には 「 MISHIMA 」と書かれていた。

また その入り口は 施錠されてなかった、、、。


※改描(かいびょう、戦時改描):軍事その他の理由により、日本軍が第一次・第二次世界大戦時に
機密保持ならびに国防上の理由から地図上の記載を実際のものと違う表記に改変した行為を指す。



〜つづく〜
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序章その15(都市伝説裏ホラー小説 NO MAKE)

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約束の日曜 早朝、、

半蔵門駅に到着し ホームに降りたら
なんと 偶然なのか 既に 森くんが
自分が降りる車両の すぐ目の前に立っていたという。


まさか 彼が自分が乗った車両位置を知っていたのか?
と 一瞬思った博くんだったが、すぐに
その考えを自ら払拭した。
なぜなら そんなこと どう考えても 常識的に不可能だからだ。



日曜だったこともあり、
早朝の 半蔵門駅は 人もまばらだった。



森くんから 5番出口に向かうと言われた。

二人は駅ホーム内を押上方面に向かって歩いていき、
改札を出て、5番出口へと向かった。


『 約束は守ったよ、
どこで マイクロフィルムを渡してくれるの? 』


『 まだ待ってほしい。
それより、、、ここは僕の祖先ゆかりの地なんだ 』
森くんは どういう神経の持ち主なのか 全く悪びれる様子もなく受け答えした。


『 この半蔵門が 森くんのゆかりの地って、、
それって どういうこと?、、 』

『 半蔵門の地名の由来、、
歴史が得意な竹内君ならわかるかな? 』

『 うん、ここ半蔵門は、
かの徳川家康が 家臣である服部半蔵に警護させた地域であり
それが由来となって 誰言うともなく いつの間にか ここが 【半蔵門】という地名になったって
何かの本で読んだ記憶があるけど、、 』


『 確かに、、 他にも諸説あるけどね、、、、
でも実は 服部半蔵はただ家康を警護しただけでなかったんだよ 』

『 それってどういうこと? 』

『 それをこれからお見せするよ 』


※服部半蔵:この名前は服部家において代々襲名する名前である。
徳川家康に仕えたのは、二代目服部半蔵こと正成。
忍者としてのイメージが強いが、二代目以降は史実では武士とされている。



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